穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

【甘い噛み跡/この想いに名前をつけるなら】

【甘い噛み跡/この想いに名前をつけるなら】


1.甘い噛み跡


デート帰りにシュフラットがマクシムの首筋を見れば昨晩付けた赤い跡がありありと首に残っていた。シュフラットはマクシムを満足げな表情で見つめながら微笑んだ。

「マクシム、タートルネックが最近の流行りか?色白なお前に黒色は良く映える。それとも昨晩の跡を隠す為か?」

カフェにて小休憩していれば、マクシムは甘いカフェラテを口に含みながらシュフラットを睨みつける。

「お、お前が…!次の日デートなのに好き勝手に噛んでキスマーク付けてくるから、だから俺は隠す為にだな!」

「へぇ、意外だ。マクシム、お前は俺に独占されるの好きだろう?甘噛みしている時のお前の声、最高だったな」

シュフラットは澄ました顔でブラックコーヒを飲んで端正な顔をふわりと崩して微笑んだ。

マクシムはシュフラットの表情にめっぽう弱く、大好きな彼の笑顔を見て悪態を吐きながら顔を赤くした。

「結局、結局俺はお前に弱いんだ!お前に抱かれた夜も、共に起きる朝も、楽しいデートだって、全部お前が隣に居てくれるから幸せなんだよ、まったく…」

マクシムはカフェラテを一気に飲み干してシュフラットから少しだけ目を逸らした。シュフラットはマクシムの顔にそっと指を伸ばして顔に触れていく。

「…お前に早く触れて、その跡に上書きしたいと思うのはいけないことか?」

「好きにすればいい。…俺はお前だけの女なんだから」

そう、上書きしていいのはお前だけだよシュフラット。俺の首筋に甘い噛み跡を残すのはお前だけだ。


今晩もまた噛み跡が上書きされて行くことを期待するマクシムは唇に残ったカフェラテの泡をぺろりと舐めとってシュフラットの熱が浮かぶ瞳を見つめていた。

 

2.この想いに名前を付けるなら


人は皆、俺を見ては『冷酷』・『無情』・『暴君』だと言うがそれを否定する気にもならずただ毎日を過ごしていた。

機械だけは俺の側に黙っていてくれた。何もない毎日、色褪せた日々はただ無駄に過ぎていく。愛でる物は何も無く、ただただ日々は過ぎていった。

しかし人生の転機はいきなり訪れる。

『今日からお前の上官になるマクシム・バスーダだ。宜しく頼む』

鋭い刃物のような瞳、
尖った空気、
そして綺麗な白い肌。

まるで陶器のようなその人を見た瞬間に俺の心が騒つくのを初めて感じた。生まれて初めて抱くこの想いは何だろうか。

『俺の名前は…』

『知ってる。シュフラット・ケシバイエフだろ?若くて逞しい、良い男だな』

初めて名前を呼ばれて顔に浮かぶ熱は何だろうか、今まで感じたことのないこの想いに名前を付けるなら。

相応しい名前を付けるなら…、

『…そういうあんたは、綺麗な人だな。マクシム…さん…』

『くくっ、お前は話に聞いていたイメージとは全くかけ離れているな。冷酷でも無ければ非情でもない。可愛らしい奴だ!シュフラット、俺はお前の上官になる訳だから長い付き合いになるがどうか宜しく頼む』

差し出された手を俺は掴み取る。

この手を取った時にはもう、惚れていたのかも知れない。この想いに名前を付けるなら俺はこう名付けるのだろう。

『宜しく頼む、マクシム』


これは俺の初恋であり、最後の恋なのだから。

この想いに名前を付けるなら『初恋』と名前を付けよう、生まれて初めて抱いたこの想いをいつかあんたに。

自信を持ってあんたに伝えるよ。

それまではどうか、隣にいてくれ。

…それだけが俺の望みなのだから。