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濡れる身体は至高の味(R18)

【濡れる身体は至高の味】


ジュリアンが通販で買ったという観葉植物を育て始めてから約一ヶ月。二人の寝室を囲うかのように植物は部屋を侵食していった。

(…困ったな…)

ギュスターヴは部屋を見ながら深い溜め息を吐いた。シンプルな家具で統一されているお気に入りの寝室はジュリアンの買った観葉植物のせいで見事に台無しだ。

穏やかな昼下がり。

ジュリアンがいない隙に観葉植物を破棄してしまおう、そう考えたギュスターヴは植物に触れて呟いた。

「ごめんね、君は悪くないのに…。私たちじゃ君を大切に出来ないんだ」

まるで人間に話かけるように話かけたギュスターヴの表情は申し訳なさそうな表情だった。そんなギュスターヴの言葉に同調するかのように、植物のツタはギュスターヴの顔をぬるりと撫でていく。

「な、何っ…?!」

『僕は触手体、コードネーム・ゼロ。あなたは心優しいお医者さま?』

「しゃ、喋った…?!」

『僕は優しい人の心にだけ語りかけることができる。あなたは僕を破棄することに対して少し躊躇ってくれた。あなたの願いを一つだけ叶えてあげる』

目の前の触手体(以下、コードネーム・ゼロ)の言葉にギュスターヴは驚きを隠せずにいた。30年以上生きてきた中でこんな不思議な出来事に遭遇したことがあっただろうか。

ギュスターヴはゼロという名の触手体を見つめて溜め息を吐いた。

「な、何が狙いなんだ?!」

『僕には願いなんてない、僕は願いを叶える存在だから。一つだけ願いを叶えてあげる。あなたの望みは?』

まるで魔法にかけられたかのようにギュスターヴは唇をゆっくりと開き、自身の心に秘めた想いを晒せ出す。

「ジュリアンに…手酷く…気持ちよくされたい…」

『それがあなたの願いなら叶えてあげるよ。可愛いお医者さま、僕を破棄することを躊躇ってくれたお礼に魔法を』

ギュスターヴはうっとりと瞳を閉じて思念体の囁きに身を任せていった。


***


ジュリアンが仕事から戻って来るとギュスターヴがベッドに横になり顔をうつむかせていた。体調が悪いのか、心配になったジュリアンはギュスターヴの頬に触れた。

「ギュスターヴ、ただいま。大丈夫か?」

「…ジュリアン…」

ギュスターヴのブラウンの瞳はどこか熱にうなされていて、いつもより色っぽかった。ギュスターヴはジュリアンの身体に腕を巻きつけて耳元で掠れた甘い声で囁いた。

「私を気持ちよくして、手酷く抱いてほしい」

ジュリアンの意思を無視するかのように、ジュリアンはギュスターヴの身体にのしかかって噛み付くようなキスを仕掛ける。

「…あなたをめちゃくちゃにしていいのか?加減は出来ない」

「望むところだよ、ジュリアン」

唇を離した頃、ギュスターヴとジュリアンの瞳には情欲の炎が灯って燃え上がろうとしていたのだ。

 


ぬるりとしたツタがギュスターヴの乳首を這いずり回り、吸い付いたり乳首を掠めたりと彼の身体を蹂躙していた。

「じゅ、りあんっ…、ふぐぅっ…」

「俺が買った観葉植物だよね…、すごいなぁ。『期待通り』の働きしてくれてる。この部屋を覆っているもの全体が触手体らしいんだけど。なんせ『もう一人の俺』を覚醒させてくれたんだから。ギュスターヴ、エッロいな」

ジュリアンの青い瞳にはいつもの穏やかさが微塵もなく、幾分かの鋭さを含ませていた。

「い、意味が…ふ、あ、分からないっ…」

「ギュスターヴ、俺は『もう一人』のジュリアンだよ。普段の俺とは違う、凶暴さ、そしてあなたをめちゃくちゃにしたいって願望にかられてる。あなたがゼロに望んだと、思念として流れてきたんだ。この触手体はよりあなたを淫乱にさせる。ギュスターヴ、もっと啼いて」

ツタはまるでジュリアンの言いなり。

ぬるりとしたツタはギュスターヴの桃色乳首を吸い取り、そして離す。そんな甘い愛撫を繰り返しされれば、彼の半身もゆるりと熱を持ち、硬さが増して行く。

「つ、辛いっ…、ジュリアン、私の触って…」

「俺は触らないよ、これがあるだろう?ほら、可愛いツタがあなたの性器をしっかり吸い取ってくれるから」

「ひっ、ひゃぁっ、あんっ、うぅっ…」

ツタは口を開けてギュスターヴの性器を強く吸い取っていく。まるで人間の口にフェラされている感覚に陥ったギュスターヴはぷしゅっと白濁の液をぶちまけた。

「はっ、はぁ、はぁっ…」

「…早いなぁ」

ジュリアンはギュスターヴの性器から出た白濁の液を手に取りぺろりと舐めながら微笑んだ。

「ちょっ…、な、何を…」

「手酷く抱かれたいと望んだのはあなた自身だ。可愛いギュスターヴ、あなたがイッたところを見てしまえば俺に我慢できるとでも?…俺は狼だよ、ギュスターヴ」

「な、慣らしてよっ…、馬鹿っ…」

「そんな必要なさそうだけどな」

ジュリアンは自身の下着から熱を取り出しギュスターヴの入り口に押し当てる。慣らさなくても濡れているその箇所はまるで女性器のようで…。

「…まさか、あなた…」

「…触手体に望んだんだ、君に手酷く抱かれたいということと、一時的に女性器が欲しいと。わ、悪いのか…?!」

ギュスターヴが瞳に涙を浮かべてジュリアンの瞳を見つめれば、青い瞳をふっと細めてジュリアンは呟いた。

「…最高だよ、本当に」

ジュリアンはギュスターヴの唇に口づけを施しながら中を貫いて行く。いつもは排出口に挿入されている性器が、本来であれば女性にしかついていない性器に挿入されているというだけで、ギュスターヴは酷く興奮していた。

「ジュリアンのっ、おっきくて、飲み込めないっ、ひゃっ、んぅ」

「あなたの中って本当にぐちゃぐちゃだよね?愛液かな、俺が腰を揺らすたびに垂れてるよ?だらしないなぁ…。そうだ、もう一本挿れてもいいかな。ゼロが囁いてるんだよ。『僕も優しい軍医様を気持ちよくしたい』ってね。あなたには『もう一つの入り口』が運が良いことに付いてる。ギュスターヴ、贅沢だね」

「はっ、む、無理っ…」

「全てはあなた自身が望んだことだ」

ずるりと部屋を蠢くツタはギュスターヴの入り口に近づいてヌルヌルとした液を放ちながら排出口に進入していく。

「あっ、あっ…、だ、駄目だって…、」

「簡単に入るなんて本当にだらしない穴だよ。ギュスターヴ、どうかな。俺のとゼロのツタ、どっちが気持ち良い?」

ジュリアンが腰を揺らすのと同時にツタもまた、ギュスターヴの中でうねうねと動いていく。まるで二輪挿しの状態であるギュスターヴは口から唾液を垂らしながら乞うように呟いた。

「ど、どっちも好きっ…、好きだからもっと奥、奥に頂戴っ…?お願い、二人ともっ…」

「あぁ、可愛い。可愛いよ、俺の大事なギュスターヴ。俺と君でギュスターヴに種付けしてあげなきゃ?もちろん、孕むのは俺との子だ」

「ひゃっ、あっ…、はぁ、んっ、二人の…熱いのが、出てる、ん、うぅ…」

ギュスターヴの中でジュリアンと触手体は同時に果てて中にたっぷりと精を吐き出した。

ジュリアンはギュスターヴの女性器、
触手体はギュスターヴの排出口へ。

うっとりとした絶頂の中でギュスターヴは気を失いながら瞳を閉じていった。


***

 

「あれ…、部屋が綺麗…」

瞳を開ければ身体は綺麗に掃除されており、また、部屋全体を覆っていた観葉植物はプランターの中で一輪の花を咲かせていた。

隣でもぞもぞと身体を動かしているのはジュリアンだ。寝起きなのだろうか、ベッドで眠るギュスターヴを引き寄せてぎゅっと抱き寄せた。

「ギュスターヴ…身体、大丈夫…?」

先ほどまでの鋭さはなく、いつもの好青年であるジュリアンが其処にはいた。

ギュスターヴはジュリアンの柔らかな髪を撫でながらベッドの中でジュリアンを抱き締め返す。

「…もしかして、覚えてるのかい?その、私の醜態というか、その、願望が叶ってしまった瞬間を…」

「…うん、覚えてる。忘れるわけないじゃないか。もともとこの観葉植物を買ったのは他ならぬ俺だしね。ただここまで効果があるとは思わなくて。辛い思いをさせてごめん。その、あなたの身体に負担をだな…」

ジュリアンは言葉を濁しながらギュスターヴの腹を愛しげに撫でていく。

「…仮に子が出来たとしても、それは君との子だろう?私は君との間に子が生まれるのならそんなに嬉しいことはない。ジュリアン、私は君を求めて君も私を求めてくれた。こんな幸せなことはないよ、ほら、触手体も一輪の花を咲かせているから。だから私は幸せだよ」

ギュスターヴの言葉を聞いたジュリアンはより一層ギュスターヴを強く引き寄せて囁いた。

「…俺、あなたの為にもっと頑張るから。だからその、ギュスターヴ…。俺と結婚しよう、一生かけて幸せにする」

「…ジュリアン、こんな私で良ければ喜んで。君に一生を捧げるよ」

ギュスターヴはジュリアンの頬に唇を寄せて口づける。まるで一生の愛を誓うかのように。


そっとゼロは二人を見つめて触手体としての役目を果たしたのか消えていく思念とともに呟いた。

『末長くお幸せに。優しい軍医さまと、好青年のわんこさん』