穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

【もう一度君に逢いに行く】④

【もう一度君に逢いに行く】④


「今日泊まるホテル取るの忘れたんだけど、お前の地元だろ?お前の家に泊めてくれよ」

再会したばかりの俺と優くんは公園から黙って手を繋ぎながら歩いていた。沈黙を破ったのは優くんからだった。

「…な、何もないよ…?」

「…お前が隣に居てくれるなら、何だって構わない。半年間お前に触れられなかったんだから覚悟しろよ」

「本当に優くんは…狡い…」

「俺はそういう男だからな」

そうだ、優くんは俺にとっては大切な人でずっと待っていた人だ。だからこそ俺は…。

「…分かった。泊まって行って、優くん…」

俺は震える手をより強く握りながら優くんの隣を歩き始める。ちらちらと小さな粉雪が降り始め、俺と優くんの間にふわりと沈むように溶けていった。

 

「お邪魔します」
「どうぞ」

俺は初めてティムールのプライベートに触れたような気がした。ホテルを取らなかったのはわざと、こいつに再会出来ると信じていたからだ。

一人暮らしをするのには充分過ぎる部屋の中は殺風景、絵を描くための最低限の画材と生活家電しか置いておらず、無駄なものは何一つなかったのだ。

「お前の部屋、殺風景だな」

「うん、俺はあまり物に執着しないから。優くん、ソファに座ってて。お茶を…」

「…なぁ、さっきから俺の顔を見ないのには何か理由があるのか?ティムール、半年ぶりにあった俺を見てお前は何とも思わないのか?」

「…っ…、俺は優くんをずっと想ってたから、だから半年ぶりに二人きりになったら、その…」

「なぁ、顔を見せてくれよ。ティムール」

俺はソファから立ち上がろうとしたティムールの手首を掴み、俺の太ももの上にティムールの身体を乗っけた。まるで向かい合うかのように、俺はティムールの色白で端正な顔を見つめた。

「…お、俺、軍人辞めたから重いでしょ…」

「幸せの重みなら構わない、ティムール、俺の顔見て。お前が半年以上想ってくれていた江夏優は此処にいるよ」

「…っ…、ゆ、優くんっ…」

「…ティムール、キスしよっか。これから泣かせようと思ったのにお前が可愛いから辞めた。ほら、瞳閉じろ」

「んっ、んっ…」

向かい合いながら唇を重ねれば久しぶりの唇の体温が身体に染み渡ってくる。少しばかり冷えた身体を温めるには充分すぎる行為に俺の身体は酷く疼いてしまう。

…早くティムールに触れたい、
…早くティムールに跡を残したい、
…早くティムールの中に入りたい。

欲望ばかりが身体を動き回っていき、そして向かい合いながらキスをしているからいつもキスをしていたときよりも距離は近かった。

「ゆぅ…くんっ…」

「何だ?」

「久しぶりにキス…したから…」

恥ずかしげに顔を赤らめるティムールの下腹部を見れば、ズボン越しでも分かるくらいに膨れ上がっていた。

あぁ、本当にお前って一途で可愛くて馬鹿な奴。

「…久々にキスしただけでこんなになるなんて、抜いてなかった?」

「優くんに触って貰えるまで我慢するって決めていたから…、駄目なの?」

「さすがはティムール、だが簡単には触ってやらない。ほら、まず服脱いで。俺も脱ぐから、お前も上着とズボン脱げ」

「….は、恥ずかしい…」

「何度も見てきたのに半年会わないだけで恥ずかしがり屋に拍車がかかったな。可愛い、やっぱり意地悪したくなる」

「え…」

俺はティムールを下着だけの状態にしてそっと身体を抱き寄せる。とくんと響き渡るティムールの鼓動は俺の身体もひしひしと伝わってくる。

「…一人で俺の前で慰めて。それ、我慢出来そうにないよな」

「む、無理を…」

「ティムール」

「分かった…、分かったから…」

おずおずとティムールは下着から性器を取り出してゆっくり、たどたどしく触れていく。

「くっ、んっ…、優くんっ…」

「キスだけで勃たせるティムールは 本当に可愛いなぁ。どんどん硬くなってる、ティムール、ほら…」

「ひゃっ、あんっ…、ん、くっ…」

「俺のことどれだけ好きなんだ?言ってみろ、言えたら触ってやる」

半年間で性格を変える余裕なんて俺にはなかった。もう少し大好きなティムールに優しくしてやりたいのに、酷く泣かせたい欲望ばかりが増えていく。

ティムールは羞恥で顔を真っ赤にさせながら潤んだ瞳で俺を見つめてゆっくりと唇を開いていく。

「…だ、だいすきっ…、ずっと待ってた、君に逢うこと、そして触れてもらうこと、優くん以外望んだことなんて、ひゃっ…ん、?!」

あぁ、本当にお前って奴は。

なけなしの理性を取っ払うのが上手くなったよ。

「…俺だって、俺だってお前が…」

ティムールの性器にそっと手を重ねて上下に擦っていく。すでに濡れていたのか、先走りが潤滑油のようになっておりスムーズにティムールの性器を扱く事が出来た。

「ゆ、優くんっ、優くんっ、俺もう、出ちゃうからっ…、あ、あぁっ…」

「いいよ、ティムール。今日は許してやる。半年ぶりだからな」

「はっ、あ、あぁ…ん、くっ、うぁっ…」

俺の手の中にぐったりと精を吐き出したティムールは潤んだ青の瞳を俺に向けて、ゆっくりとキスをしてくる。

「ん…」

 


唇を離せばティムールの瞳に情欲の炎が灯されていた。あぁ、こいつは少し負けず嫌いな面もあったよな…なんてこと、思い出してしまったよ。

「優くんの早く欲しいから、俺も優くんの舐めていい?」

ティムール、お前って本当に。

…本当に俺が好きなんだな…。

「…好きなだけしゃぶれよ。ティムール、俺だって半年ぶりなんだから黙って感じてやる。ただ、出すのはお前の中だけって決めてるから」

「っ…、もう、もう本当に君って人は…」

ティムールは俺の身体から降りて、そっと下着から俺のを取り出して口にぱくりと含む。

「噛むなよ…」

「んぐっ、ん、ふっ、う…、」

口の中の体温が高いのがよく分かる。口内の中に包み込まれて硬度が増して行く。あ、こんなにもティムールの口ってよかったんだな。

「もっと欲しいなら、喉奥まで突っ込む?それはやだ?」

「や、やらっ…、んぐ、ふっ…」

「俺もそんな意地悪はしたくない。ティムール、ティムールっ…」

俺はティムールの頭を撫でながら俺の性器を頬張るティムールをずっと見ていた。こんなにも可愛いなんて、出会ったばかりの頃の俺なら絶対に思わなかっただろう。

俺はお前に出会えて変われたんだ。

大好きなんだよ、お前が…。

「ゆ、優くんっ…、俺の中に挿れて、お願いだ、もう我慢できない…」

「もしかして、俺のを咥えながら後ろ解していたのか?いやらしい奴、早く欲しいか?」

「…うん、ゴム有るから待って…」

「そんな物、もう必要ないだろう?ティムール、俺の上においで?重くてもそんなことどうでも良いから」

「だ、大好きな優くん汚したくないっ…、俺の中で生でなんてそんなこと」

「…好きだから、愛してるからそうしたいの。俺の半年ぶりの想いの丈、身体に教え込んでやるから覚悟しろ」

ティムールはこれ以上ないほどに顔を真っ赤にしながら俺の上に跨ってゆっくりと腰を下ろしてくる。向かい合って視線がぶつかれば唇は自然に重なっていく。

そう、これは俺たち二人の想いの丈を確認し合う行為なのだから…。

 

 

「優くんっ、んぁっ、激しっ…、俺壊れちゃうっ、そんなに奥ばかりやらっ、ふぁ…っ、あんっ、あぁっ…」

「ティムールっ、ティムールっ…」

俺を抱きながら何度も優くんは俺の名前を呼んでくる。元軍人の俺の身体を乗っけながら向かい合ってするのは優くんにとっては負担だと思った。

だから体位を変えようと提案したのにずっと俺と優くんは向かいあったまま。お互いの熱を貪るかのように激しく求め合う。

「すごいな、本当に…。お前の中ぐちゃぐちゃだよ?聞こえる?突くたびに俺のがお前の中を激しく突いてる音だよ」

「わ、分かってるよっ、優くん意地悪っ…、ん、そんな意地悪言わなくてもっ…」

「ティムールが可愛いから我慢できない。俺をこんな風にしたのはお前が初めてだよ、人に関心すら持たなかった俺を此処までしたのはティムールが初めてだ。…っ、こんなこと言わせるな、くそ、恥ずかしいだろ…」

俺、やっぱり優くんが大好きだよ。

離れていた時、諦めかけたあの時間を酷く後悔してしまった。俺は優くんに再会できた今が一番幸せなんだから…。

「俺の中、気持ちいい…?優くん、気持ち良いっ…?」

「気持ち良いから我慢してるんだ。ティムール、俺は言ったよな?もうゴムは必要ないって。今俺とお前は本当の意味で繋がってる、やっと、やっと一つになれたんだ。って…、本当にお前は泣き虫だな」

「だって、だってそんなこと言われたら…、俺だって同じ気持ちだよ、優くんが俺を見てくれて俺に逢いに来てくれたことだけでも、奇跡なのにっ、うぅ、優くん、好きっ…、大好きっ…、もっと俺を求めて…?」

「ティムール、俺はもう手加減してやらない。そんなに可愛いことを言われて我慢できるほど出来た男じゃないからな、ティムール、言ってる側からお前は俺のを締め付けすぎっ…!」

「優くんの気持ちいいからっ、俺の中も気持ち良いって言ってくれたからっ…、ぐすっ、優くん好き、大好きっ…、これからも好きでいていいの…?」

「…それ以外、お前に選択肢はないよ。ティムール、お前は俺の恋人だ。最初で最後の恋人だよ、だから俺以外見たら許さない、俺に此処までさせたんだからよぼよぼになるまで側にいろよっ…、ティムール、悪い、もう限界だっ…」

「優くんっ…、俺も君だけだっ、愛してる、うっ、あっ、あぁ、はぁ…」

気がつけば快楽以上のものが俺を支配していて、それは優くんとようやく一つになれたことに対しての幸せなのか再会できたことに対しての喜びなのか分からなかった。

だけれど本当の意味で今ようやく俺と優くんは一つになれた。中に注がれていく優くんの熱はこれ以上にないほどの幸せが混じっている気がした。

「ティムール…」
「優くん…」

俺は大好きな彼の顔に手を伸ばして唇をそっと重ねる。大好きで愛しくてかけがえのない君が目の前にいてくれるこの幸せを手離したくはないのだから。

 


ソファで気が済むまでティムールを抱き潰したあとに俺はようやくベッドの存在に気が付き、ティムールの身体を拭いてあげたあと二人でベッドに横になった。

「…身体、大丈夫か?」

「うん、少し痛いけど俺は大丈夫だよ…」

半年ぶりに再会した俺たち二人は今ようやく隣に並び、そして体温を感じ合うことが出来たのだ。

「ティムール、俺は半年前にお前を空港で見送ったあとずっと後悔していたよ。お前を無理矢理にでも日本に連れて行けば良かったと。ただそれじゃ意味なんてなかった。俺はお前からのメッセージにまともに返事する余裕すらなかったんだから。仲間に後押しして貰った借りはでかいな」

「俺も同じ状態だった。半年前に優くんにメッセージ入りの絵を渡した時、少しだけ寂しかった。もう二度と逢えないかもしれない、そんな気持ちばかりが俺の中をぐるぐる駆け巡ったよ。優くん、俺スペツナズ辞めたのには理由があってさ、タチャンカに怒らたんだ。『腑抜けてる奴はこの部隊には必要なんてない。さっさと辞めちまえ』てさ。だけど何だかんだタチャンカは今でも俺を心配してくれてる。由美子さんもタチャンカも俺にとっては優くんと再会するのにお世話になった人たちだから…その…」

「何かお礼をしたいって?」

「駄目かな…?」

「明日は晴れるのか?…だったら付き合ってやるよ、お礼をするのに何かプレゼントしたいんだろう?お前の生まれ育った街、一緒に案内しろよ。ってまた泣くなよ、可愛い奴」

「だって、叶うとは思わなかったんだ。優くん、俺は叶うならずっと優くんと一緒に生まれ育った街を歩きたいって願ってた。本当に叶うなんて思ってもいなかったから嬉しくて…」

俺も相当重症だな、ティムールの全部が可愛く見えて仕方ないのだから。

「…そうか、なら明日はエスコートしてくれよ。それとお前、玄関で部屋の鍵を落とさなかったか?お前に渡しておく」

ベッドの中で涙を拭うティムールに俺は一つの鍵を手渡した。一見なんの変哲もないただの鍵だ。

「…俺の鍵なら…、確か…」

「キーケースに入って棚に置いたって?じゃあそれは何だ、合鍵じゃないのか?」

「これ、俺の部屋の鍵とは形まったく違うけど…。え、何だろう…」

…鈍感だな、本当に。

そこが可愛くて愛しいなんて絶対に口が裂けても言ってはやらない。これは俺のプライドにかけて誓う。

「いつでも来いよ、ティムール。俺の部屋の合鍵だ。ここまで言わないと分からないか?仕事柄俺もお前も国は離れてるし休みも合わないけど。休みがあって日本に来たら勝手に遊びに来い、あぁ、慣れないことを言うもんじゃないな」

ティムールの顔をちらっと見れば驚きで固まった表情はやがて嬉しさからか笑顔が顔一面に広がっていた。

「…優くん、実は俺、日本の芸術大学に講師として赴任してくれないかって依頼を受けてたんだ。東京の杉並って所で、一週間後にはロシアから旅立つんだけど。早速優くんの家に遊びに行ってもいいかな」

「住めばいいだろう、馬鹿」

「え…?」

「だから日本にお前が来るなら一緒に住めばいいだろう?俺の住んでる家は爺さんから譲り受けた日本家屋で一人で住むには広すぎるから。お前家事できそうだし、来たらこき使ってやるからな」

「…夢じゃないよね、優くん…」

「夢じゃない、俺もお前も此処にいて体温も鼓動もきちんと感じ合っただろう?なぁ、俺はお前を二度と手離すつもりはないしもう二度と、後悔をしたくないんだ。ティムール、俺と一緒に日本で暮らして下さい。俺の願いはお前が隣に居て共に泣いて笑って過ごすことだ。俺にここまで言わせたんだから否定は許さない」

「こんな俺で良ければずっと優くんの側にいることを許して欲しい、俺も二度と離れ離れになりたくはないんだ。君の隣に居て、毎日おはようとおやすみ、そして同じ布団で眠りたい。後悔なんて二度とごめんだよ、優くん、俺をずっと側に置いてください…」

「答えは決まりだな」

「うん、俺はずっと君の隣にいるよ」

「…愛してる、お前に逢いに来て良かった。本当に良かったよ、ティムール、ずっとこれからは一緒だ」

「優…くん…、うん、本当にありがとう…俺も君を愛してる」

俺はティムールの手を握りながら唇を重ねてそっと身体を抱き寄せた。そしてまたティムールも俺の背中に腕を回して来る。

半年前、お前を送り出した時。

『二度と逢えないかもしれない』

こんな気持ちばかりが臆病な俺の邪魔ばかりしていた。だけど今は違う。

『お前に逢えて、お前に出逢えて良かった』

そう、かけがえのない大切な奴に出逢えて本当に良かったと心から思っている。

ティムール、ありがとう。

俺はお前に出逢えて幸せだよ。

だからこれからもどうか。

俺の隣で笑ってください。

大好きなティムール。

お前に出逢えて本当に良かった