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ゲリラ投稿⑤

 

カプカン×グラズ

 

【kiss.missing you】


寂しいと思っていても、お前はいつだって平気な顔をして笑っていた。辛いなら辛い、寂しいなら寂しい、恋しいなら恋しいと口に出せばいいのに。

我慢強いお前は思ったことを口にはしてくれない。口にしてくれなければ想いなど伝わる訳なんてないのに。

俺はいつだって思う。

本当のお前は何処に居る?
本当の想いは何処に有る?

教えてくれよ、グラズ…。


***


気まずい空気が流れる二人部屋。

一人は暗い表情を浮かべ、もう一人は不快だと言わんばかりに呆れた表情を向けていた。

グラズはカプカンを見つめては暗い顔を浮かべて思っていることを言いたげな表情を見せる。

一方のカプカンは言葉にしないグラズに対して苛立ちを露わにし、グラズの顔を睨みつけていた。

「…餓鬼じゃないんだ、口があるなら思っていることの1つや2つ言ってみろよ。グラズ、いつまでお前は黙ってるつもりだ?」

「あんたには関係ない。あんたに思ったことを言った所で解決するようには思えないからな」

「だったらそんな暗い顔を俺の前で見せるな。実に不快だよ。グラズ、毎日共に過ごしている俺は実にお前に対して苛立ちを隠せない。なぁ、はっきり言えよ。何が不満なんだ」

カプカンの表情を見たグラズはびくりと身体を震わせてカプカンの顔を見つめた。今にも怒りを爆発させそうな狩人の瞳には鋭さが浮かんでいた。

グラズはカプカンの顔を涙で視界を歪ませながら見つめてゆっくりと唇を開いて言葉を呟いた。

「…寂しい」

「…は?」

「だから寂しいって言ってるじゃん!あんたはそうやっていつも澄ました顔で俺と過ごして夜も寝るけど触れて来ないし、最近はキスすらしてくれないじゃないか。そんなこと俺から言わなくちゃ行けないのかよ、あんたは鈍感過ぎる、もう少し俺のこと考えろよっ…、カプカンの馬鹿っ…!」

嗚咽を上げそうになるのを堪えながらグラズはカプカンの腕に触れて抱き締めるように促した。カプカンはグラズの泣き顔を見て、先ほどまで呆れ顔だった表情を幾分か柔らかくし、グラズの身体を抱き寄せた。

「…ようやく本音を言ったか」

「…え…?」

「お前は溜め込み過ぎなんだよグラズ。寂しいなら寂しい、辛いなら辛い、恋しいなら恋しいってお前の口から直接俺に言ってくれよ。俺だってお前を大切にしてやりたいって思ってんだ。お前自身の心も、お前自身の想いも全部俺に向けろよ。好きなんだよ、お前が何よりも」

グラズを抱きしめながらカプカンは彼の身体をより強く抱きしめた。グラズもまたカプカンの背中に腕を回し、ぎゅうっと抱きしめ返す。

「…あんたにキスされたい、お願い、俺の我が儘を聞いて?今日はそれ以上望まない」

潤んだ青の双璧は真っ直ぐとカプカンだけを見つめていた。カプカンはゆっくりとグラズの陶器のような顔に触れて薄い唇に己の唇を重ねていく。

久しぶりの体温は互いの心にじんわりと溶けていく。ほろりとグラズの瞳からは涙が零れ落ちる。それは何よりも望んだ最愛なる温もりを手に入れた喜びの涙だった。

 

「…カプカン…、俺も…あんたが好きだよ、誰よりも何よりも大好きで愛しい。だからずっと側にいて」

乞うように呟かれたグラズの言葉に対してカプカンの答えは一つだけだった。

「俺もお前を愛してる、唯一無二のお前だけを俺は愛してる。俺以外の体温を望むな、俺以外を側に置くな…。グラズ、好きだよ」

想いは言葉にすれば伝えるのは簡単だった。

ようやく伝わった気持ちはようやくお互いの体温となりじわりと心に浸透していった。

何よりも変え難い、愛しい想いと共に。