穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

ドミニクさんシリーズ(過去作)

1.【やめてくださいドミニクさん!】

 

 

エコーは誰もいない資料室で、次の作戦に必要な資料を探していた。ホコリっぽい室内には僅かな明かりだけがついており、自分の背よりも高い書棚にその資料は置いてあった。

(…嘘だろう、僕の身長だと届かないじゃないか。脚立も見当たらないし…、どうしよう)

運悪く、携帯も無線機も今は自室に置いて来てしまい、助けを呼ぶ術を今のエコーは持っていなかった。

どうしたら…いいんだろうか。

目に見えない不安と、誰もいないという恐怖心がエコーの心を支配していたのだ。

黒い瞳には涙がジワリと滲んで、視界が歪んでいく。大したことではないのに孤独感に苛まれてしまうエコーは、独りが苦手だった。

「…助けて…ぐすっ…」
「なーに泣いてんだよ」

資料室の外、ひょこっと顔を出して来たのはGSG-9から召集されたドミニク・ブルンスマイヤー。通称・バンディットだ。

バンディットが何故こんな人気のない所に居たのは謎だが、エコーはバンディットの顔を見て安心感で腰を抜かしてしまう。

「….よ、良かった。ぐすっ…、ドミニクさんっ…」

「まったく、お前って奴はほっとけないというか、何というか。とりあえず立てるか?手、掴めよ!」

「は、はい…」

バンディットは座り込んでいるエコーに手を差し出して彼を立たせようとする。エコーは涙を滲ませながらバンディットの手を掴み、ゆっくりと立ち上がる。

「おっと…、大丈夫か?」
「…っ!!ご、ごめんなさい…!」

ふらふらっと立ち上がった瞬間、エコーはバンディットの腕の中に閉じ込められてしまう。そして、口元がやたらと近い。

「謝る必要なんて無いだろう?大丈夫か、エコー」

キスが出来そうな距離まで数cm。
エコーの鼓動は速まるばかりで、バンディットは心配そうに黒い瞳を真っ直ぐと見つめてくる。

「大丈夫っ、大丈夫ですっ…」

バンディットから少し離れて、エコーは息を整える。顔の頬に熱が集まって、彼の顔はまるで林檎のように赤くなっていく。

「なら良いけど。あ、お前どうして泣いてんだ?理由、聞かせろよ」

「別に何でも…」

「ほう、何でも無いならなんで距離を置こうとするんだろうなー…。マサルくーん、俺が誰だか分かっていて嘘を付いてるんだよな?そうだよね?」

ジリジリとバンディットはエコーに近づいていく。後ろには壁しかなく、エコーには逃げ場がない。

「…は、恥ずかしいんですが、本棚の資料が取れなくてっ…、僕の身長じゃ届かなくて。助け呼びたかったけど携帯も無線機も置いて来ちゃって…、だからそれでパニックに…」

「何だよ、そんなことか…。エコー、暴れるなよ?!」

「へっ…?!ちょっと…!!」

エコーの視界が急に変わる。
バンディットがエコーの身体を軽々と持ち上げて抱っこしているではないか。

「資料取れるか?」
「…は、はい!」

今のエコーの鼓動は今までに無いくらい、早く脈を打っていく。

資料に手を伸ばし、目的の物を手に取ればバンディットに降ろしてくれと瞳で懇願する。

「『降ろしてくれ』ってか?お前、軽すぎ!…可愛い奴め」

「…い、意味わからないですっ…!」

エコーはバンディットをとにかく睨むが、彼の瞳は何処か楽しそうに笑っていた。少し身動ぎすれば、バンディットとエコーはバランスを崩して床に倒れ込む。

 

 

「痛っ…、ドミニクさん、大丈夫ですか…?!」

「お前って大胆だよな、そんなに俺が好きなのか?シャイボーイだなぁ…」

「……っ!!う、うぅ…、ぐすっ…」

バランスを崩したせいで、エコーはバンディットを押し倒してしまっていた。そんな体勢のままだからか、はたまたバンディットの意地悪な言葉のせいか、エコーは再び涙をじわりと滲ませてバンディットを見つめた。

「好きじゃ、ないです…っ」

「なら聞くけどさ、何で離れないわけ?嫌いなら離れると思うけど」

「…………っ!!」

エコーはバンディットに聞こえないくらいに小さな声で呟いた。

「もう一回言ってくれないか、俺の顔を見てもう一回。もう意地悪言わないからさ。エコー、お願いだよ」

「ドミニクさんが、好きですっ…、あなたが助けに来てくれた時本当に安心したんです。だからその、軽く持ち上げられたり、必要以上に距離が近くて…っ、僕、パニックになっちゃって。ごめんなさい…っ」

あぁ、これはやばいな。

本当に可愛いと思う奴が近くにいて、こんなにも嬉しいと思ったことはあっただろうか。

「…悪いなエコー、お前が可愛い過ぎるのが悪いんだ。少し我慢してくれな?」

バンディットはそっとエコーに手を伸ばして、彼の顔を引き寄せた。ぷにっと柔らかく触れる唇、角度を変えながら唇を重ねていく。

 

 

「ドミニクっ…さん…?」

バンディットが唇を離せば、エコーはとろんとした瞳と、艶っぽい表情を向ける。

おいおい、俺の理性を食いちぎるつもりか?

「…悪い、お前が可愛くてやり過ぎた。ちょっとだけ抱きしめさせて」

「わ、分かりました…」

そっとエコーはバンディットの胸に耳を傾けた。脈打つ鼓動は自分と同じように速くて。

胸の近く、バンディットの鼻腔をエコーの匂いがくすぐった。温かくて、優しい匂いだ。ずっと、抱きしめていたいほど愛しくなる。そんな気持ちばかりが募っていく。

「エコー、改めて俺と恋人になってくれないか?お前を大切にしたいと心から思った。嫌なら、離していいから」

「ドミニクさんなら、良いです。僕も同じ気持ちだから…。本当にあなたと居ると、僕は僕らしく居られるんです。改めて、よろしくお願いします」

「〜〜…っ、本当にお前って奴は可愛いんだから。もう、絶対に離してやらないから覚悟しろよ?」

「はい、大好きですよ。ドミニクさん…」

二人きりの資料室、温もりと伝わる鼓動が今、ようやく一つに結ばれる。

 

 

 

 

2.【好きにしてくださいドミニクさん!】

 

 

恋人関係になってから約半年。
互いの好きなもの、
互いの嫌いなもの、
互いの大好きなところ。

様々なことをバンディットとエコーは短期間で知っていった。エコーもバンディットも、国籍は違えど大切な絆で結ばれている。

今日も演習が終わり、バンディットの部屋にエコーは泊まりに来ていたのだ。

「…シャワー、ありがとうございます。今日もいっぱい汗かいちゃって…」

「お、おう…、ちゃんと拭かないと風邪引いちゃうぞ」

「…あ、ありがとうございます…」

シャワーを浴びたエコーの髪からはポタリと雫が落ちて行く。バンディットはタオルでエコーの頭を優しく拭いて行く。

ふわりとバンディットの鼻腔をくすぐるのは、エコーが使用したシャンプーの匂いだ。

「どうしましたか…?」
「ちょっとキスさせて」

お風呂上がりのエコーの顔を引き寄せて、バンディットは唇を塞いでしまう。

「…ふ、あっ…」

くちゅりと互いの舌を突き合いながら愛撫していく。エコーの舌は柔らかく、そしてまるでそこが感度だと言わんばかりにバンディットは刺激していく。

舌を絡め合うキスほど、気持ちの良いものをエコーは知らなかった。『全部』が初めてに近い感情だったのだから…。

「…んぁっ…、ドミニクさんっ…」
「…可愛い。本当に可愛いよ」

唇を離せば、とろんとした瞳をエコーはバンディットに向ける。普段よりも潤んでいる瞳、濡れた唇以上にバンディットを刺激するものは存在しなかった。

「エコー、お前が欲しい…。良いか?怖がらせないから」

バンディットはエコーを強く抱きしめながらそっと耳や頬にキスを落としていく。

「…あなたになら…。ドミニクさんにならいいですよ…」

その『言葉』だけでバンディットの僅かな理性はぷつんと音を立てて切れていった。

 

 

***

 

 

「〜〜…ドミ、ニクっ…さんっ…」

耳許で聞こえる甘い声は恋人の声。
そんな甘い声を聞きたいが為に、バンディットはエコーの『中』をゆっくりと掻き回す。

「マサルくん、ぐちゃぐちゃだな。分かるか、俺の指が何本入ってるか…」

「や、やだっ…、分からない、僕っ…」

受け入れる側が痛くならないように。一緒に感じたいし、バンディットはエコーを大切にしたかったから丹念に解していく。

涙を浮かべるエコーの耳許で、バンディットはボソリと低い声で意地悪を囁いた。

「『2本』も入ってるぜ、いやらしい。…早く俺と繋がりたいって言ってるみたいだ」

一気に耳や頬が真っ赤に染まっていく。林檎のようなエコーは瞳いっぱいに涙を浮かべていた。

「い、意地悪はやだぁ…っ、ぐすっ…、ドミニクさんっ、僕が嫌い…ですかっ…」

(…嫌いなわけ無いだろう、バカ)

今のは相当、『腰』に来た。

エコーの瞳に溜まった涙をバンディットは指で拭って首筋を甘く噛んでいく。

「…お前と繋がりたいんだ、エコー…」

バンディットは普段、年相応の『余裕』というものを浮かべている。だけどエコーの前ではそんな『余裕』を見せることが出来なかった。

「好きなんだっ、お前が…欲しい、挿れても良いか…?」

余裕のないバンディットの表情を見たエコーは胸がぎゅっとなる感覚を覚える。

「…来て…、お願い…」
「…ありがとうっ…、息、止めるなよ?」

スキンを身に付けたバンディットは、エコーの自身に昂りを押し当ててゆっくりと侵入していく。

「んっ、苦しっ…、ドミニクさんっ、キスしたいっ…」

バンディットを受け入れながら、苦しげな表情を見せるエコーの気を紛らわせる為にバンディットはエコーの唇に優しいキスをする。

「っ…、お前の中温かい、エコー…ありがとっ…」
「…ひゃっ、は、あっ…ドミニクさん、好き…、大好きっ…」

腰をゆっくりと揺さぶりながらバンディットはエコーの中の温もりに腰を持って行かれそうになる。

エコーはだんだん痛みより、バンディットを受け入れている幸福感と与えられる刺激に溺れていく。

「エコーっ…、気持ち良いか…?」

腰を動かしながらバンディットはエコーの頬に手を伸ばす。エコーは恥ずかしそうに、だけどどこか幸せそうな笑みを浮かべていた。

「…あっ…、ん、気持ち良いっ…、もう…分からないですっ…、ドミニクさん僕、もう限界っ…」

「一緒に…達しようなっ、くっ、んっ…」

共に限界を迎えた二人はお互いの顔を引き寄せてゆっくりと唇を重ねていったのだった…。

***

「無理させたよな…、ごめん」
「ううん、あなたと繋がれて幸せだった。だから謝らないで下さい、ドミニクさん」

二人は付きあって初めて互いに身体を重ね合わせた。お互いに男を相手にしたことはなく。…だけれど、お互いが惹かれあっているからこそ結ばれた『今』がある。

二人で共にベッドで横になれば、エコーはそっとバンディットの手に自身の指を絡めて呟いた。

「…僕は女の子みたいに胸なんて無いし、声だって低いのに…。ドミニクさんはその、萎えなかったんですか…?」

「好きな奴を抱いて、気持ち良くなってるんだから萎えるわけない。…寧ろエコー、お前可愛い過ぎるんだよ。初めてに見えないくらい可愛かった。その何だ、幸せだよ」

バンディットはエコーの手を握り返して、エコーの頭を優しく撫でてやる。

「…嬉しいです…、僕は今まで誰にも関心なんて持てなくてずっと独りだった。だけど…あなたに出会えて人を好きになる事を知れたんです…。ドミニクさん」

エコーはちゅっとバンディットの頬に口付けを施した。

「…僕を見つけてくれてありがとう、あなたを愛してます」

…そんな可愛いことを言うのはズルいだろう、まったく…

バンディットはぎゅーっとエコーの身体を抱き寄せて彼の温もりを感じていく。

「俺だってお前を…、愛してる」

好きだから、
大好きだから。

『二人の初めて』は幸せに満ち溢れていたのだった。

 

 

 

 

 

3.【許してくださいドミニクさん!】

 

 

「俺が何で怒ってるか分かってるのか?エコー、黙っていたら分からないよな」
「…ご、ごめんなさい…」

部屋に走る空気はピリピリとした空気だ。バンディットは目の前に座るエコーを無機質な黒い瞳で見つめて小さく溜息を吐いた。

バンディットとエコーは恋人同士になってから約一年。その関係は順風満帆に見えるがここ最近、2人はすれ違うことが多かった。

特殊部隊が故に、共に約束をしていても守れるときもあれば、守れないときもあった。

『いいよ、仕方ない』

バンディットはエコーよりも歳上だし、性格も穏やかだから今の今まではずっと我慢してきたのだ。

しかし、エコーはまたバンディットと交わしていた『約束』を破ろうとしていたのだ。

付き合って一年の節目、バンディットとエコーはレインボー部隊の基地に併設されている宿舎から出て、共に住むための家を借りに行くために今日は予定を空けておく約束をしていた。

「エコー、俺と先約あったのにさ。何でお前は他の奴の部屋に入り浸っていたんだ?しかも迎えに行けば楽しそうに笑っていたし。そんなに他の奴が好き?」

「…僕は…、ドミニクさんが好きです…、ごめんなさいっ…」

エコーは昨日の夜から自身のデバイスや機会について、仲間であるミュートやイェーガーと共に熱く語りあってしまっていたのだ。

夜が明けるまで仲間と趣味の話で盛り上がっていたエコーの頭からは、バンディットとの『約束』はすっぽり抜けてしまっていた。

不在着信にメッセージ、どれもエコーを心配するバンディットからだった。

「…俺はいつだってお前を一番に考えて来たし、予定が合わなければ折れて来た。だけど、だけど今日は俺たちにとって大事な日の筈だ。それを忘れるくらい他の奴が好きなら…」

バンディットはエコーの瞳すら見ず、声音は冷たいまま言葉を呟いていく。

「俺よりも『好き』な奴と仲良くしてろよ。もう知らないから、お前なんて…」

初めて聞いた彼の拒絶に、エコーの頭は真っ白になってしまう。やがてバンディットの瞳を見て大粒の涙を瞳いっぱいに浮かべて、バンディットの手を掴む。

「僕が一番好きなのは、…ドミニクさんなんですっ…、軽率なことしちゃったのは謝ります…、だけど最近、ドミニクさんと僕、すれ違いばっかりで。寂しかったんですっ、ぐすっ…」

…あぁ、もう…。

昔の俺なら絶対にこんなことじゃ揺らがないのに。

こんなにも可愛い恋人を泣かせるまで追い詰める俺は最低だよな…。

バンディットはここ最近、エコーの笑顔や楽しそうに話をしている所を見たことがなかった。

「…エコー、ごめん。怒ってごめんな…」

顔を涙で濡らしているエコーの顔を覗き込みながら、バンディットはエコーをぎゅっと抱き締める。

「う、ひっぐ…、ドミニク、さん…僕にはあなたしか居ないんだ…、ごめんなさいっ、ひっく…」

エコーはバンディットの背中に腕を回しながら、声と身体を震わして謝罪の言葉を口にする。

「俺も他の奴に妬いて大人気無かった。最近すれ違いばっかでろくにエコー、お前を笑顔にすることすら出来なかったのに。俺の方がお前に謝らないと。ごめんな」

「うっ、うぅ…、大丈夫です、ドミニクさん…」

エコーは抱き締められながら、落ち着くまで涙をバンディットの腕の中で流し続けていたのだった。

 

 

 

 

 

「…落ち着いたか?」
「はい…、すいません…」

2人は初めての『喧嘩』をした後、晴れて仲直りをしたのだが肝心の『約束』を、2人して忘れてしまっていた。

バンディットは思い出したかのようにテーブルの引き出しから書類と、一つの鍵をエコーの前に差し出した。

「…これは…」
「サプライズかな…、一緒に決めたかったけど我慢出来なかった。エコー、俺と一緒に宿舎を出て共に暮らしてくれるか?」

本当は今日、一緒に物件を探す予定だったが実は事前にバンディットが家を借りて居たのだ。

「僕、ドミニクさんの側にこれからも居ていいんですか…」

「当たり前だろう、それともお前は俺と居たくは無いのか?」

バンディットの黒い瞳には穏やかな色が戻っていて、エコーを優しく見つめていた。

「一緒に居たいです…、でも僕はドミニクさんよりも朝弱いですが大丈夫ですか?」

…心配なの、そこかよ?

ふ、可愛い奴め…

「…じゃあ俺の隣で毎日眠れば解決だよな。エコーの寝顔見れるならそれ以上の幸せはない」

「〜〜…っ!!恥ずかしいです、でも幸せな朝が大好きなあなたと迎えられるのなら僕はドミニクさん、あなたと暮らしたい」

「じゃあ決まりだな」

少しだけすれ違いをしてしまった2人。

だけれどお互いがお互いを想っているからこそ、これから2人は生活を共にしていくのだ。

 

 

 

 

4.【幸せですかドミニクさん!】

ドミニクさんが選んでくれた新居は二人で住むには十分すぎるくらいに広くて綺麗なマンションだった。

引っ越しも落ち着いて、新居で過ごす初めての夜。

僕が台所に立って夕飯の支度をしていれば、ドミニクさんが僕を後ろから抱き締めてくる。

「ド、ドミニクさん?!」

「んー?どうしたの優」

「抱きしめられたままじゃ料理しにくいんですが…」

「大丈夫大丈夫、気にせず続けろ。優くん今日の夕飯はなんだろう」

「ひ、引っ越し蕎麦です!日本から持って来た奴がまだあるから。ドミニクさん、もう少しで出来るからリビングで待っててください!」

「はいはい!そんな顔赤くすんなって、かーわいーなー、優は」

「っ…!もう、ドミニクさんの馬鹿」

「待ってるね」

「…ん」

宿舎暮らしだった頃もこんな風に背後から抱きしめられてドキドキしていた事を僕は思い出した。

***

二人分の引っ越し蕎麦を並べればドミニクさんは目を輝かせながら手を合わせる。

「美味しそう」

「伸びないうちに食べちゃいましょうか」

「おう、いただきます」

「いただきます」

温かい蕎麦を啜れば、日本がどこか恋しい気がしてくる。

どこか懐かしい、そんな気持ちだ。

「ドミニクさんの口に合いますか?」

「初めて食べたけど美味しい、優、ありがとう」

「っ…!ドミニクさんに喜んで貰えるならいくらだって夕飯作ります」

「毎日はさすがに負担だから、そこは交代でやろうぜ?俺も料理は出来るしな。家事も一人でやるんじゃなくて、きちんと分担しような?二人で暮らすんだから」

「はい、そうですね…!ドミニクさんがそこまで考えてくれてるなんて、僕びっくりしてます。同居する家も探してくれて、僕はドミニクさんに感謝しかないです」

本当に心のそう思えたから僕はドミニクさんの顔を真っ直ぐ見つめて思いを呟いた。

ドミニクさんも僕を見て笑顔を浮かべて反応してくれた。

「俺も優、お前と恋人同士になって一緒に暮らせるこの瞬間が本当に幸せだよ。身に余る幸せだし、これからもこんな俺を好きでいて欲しい。大好きだよ、世界で一人の優」

…もう、ドミニクさんはズルすぎる。

たくさんの幸せを貰っているのは僕の方なのに。

「ドミニクさん、僕に出会えて幸せですか?」

「今までで一番幸せだ」

「この先も、ずっとずっと僕と居てくれますか?」

「当たり前だろう?」

「隣で寝てくれますか?」

「朝の弱い優を起こすのは俺だけの役目だろう?今日の夜も、明日の朝も、隣でお前の寝顔を見ていいのは俺だけだ」

「…ドミニクさん、愛してます」

「うん、俺も同じ気持ちだ」

こんなにも僕を好きで居てくれるあなたに出会えて本当に幸せだよ。

ありがとう、ドミニクさん。

これからも、こんな僕をよろしくね?