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終着点の果てに

ブリッツとバンディットのお話

【終着点の果てに】


明るい青空の下、海岸沿いを歩めばその先にあるのは灯台だった。ブリッツとバンディットは電車に乗り、宛てのない旅に出かけていた。

砂浜は白く、青空と同調するかのように海の色は見事なコバルトブルーだった。

バンディットは目を細めながらブリッツの横顔を見つめて微笑んだ。

「ほら、あんたが見たかった最果ての海の色だ。ブリッツ、どうだ?生まれて初めて見る海の色は」

「宝石みたいだなぁ。…まるでサファイアのように輝いてとても美しいな。バンディット、海ってこんなにも綺麗なんだな」

「だろう?有給使って来てよかった」

「…なぁ、バンディット」

「どうした、ブリッツ」

砂浜を歩くバンディットにブリッツは小さな声で彼の背中に声をかける。

「もしもこの世界から綺麗な色が消えて、モノクロの世界しか残らなかったらどうする?」

ブリッツの質問にバンディットは緩く瞳に弧を描いて呟いた。

「…仮にそうなったとしたら俺はもう一度鮮やかな色が蘇るように努力すると思うぜ。あまり好きじゃないけど、大切な奴が悲しむ顔を見るよりかはよっぽどマシだ」

「大切な奴って俺か?」

「お前以外に誰がいるってんだよ!ブリッツ、お前は優しくて正義感に溢れる奴だ。だからこそお前は他人が傷つくことよりも自己犠牲を望む。俺はお前の哀しむ顔が世界で一番嫌いだぜ。だからこそ仮に世界から鮮やかな色が消えたとしたら俺はお前の為に努力するよ」

穏やかな潮騒はどこまでも続く水平線のようにゆっくりと歩く二人の頬を撫でていく。

「バンディット、俺はきっとこの世界から色が無くなったとしてもお前だけは必ず見つけられると思う。世界はこんなにも広いけれど、俺の前に居るのはお前だけだから」

「…そうか、そりゃ嬉しいぜ」

「少し歩いて終着点の先に行って見よう、お前となら新しい道が歩めると思うから」

ブリッツは太陽の光に負けないくらいの笑顔をバンディットに見せた。傍らを歩むブリッツの笑顔を見たバンディットは口元に満足げな笑みを浮かべながら終着点の先を探すために再び歩を進めていった。

…優しい青だけが砂浜にゆるりと舞い上がっていった。