穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

girls' talk

【girls' talk


「ティナー!!わざわざごめんね!任務帰りなのに来てくれてありがとう、ほら、お菓子とティナの好きなココア用意してあるから上がって上がって!」

「…うん、お邪魔するわ」

親友であるメーガンに話したいことがあると言われたティナは任務帰りにメーガンの部屋に立ち寄って部屋に上がった。

相変わらず居心地が良い部屋だとティナは部屋を見渡して思う。置いてある家具や雑貨は暖色系でメーガンらしい。そしてぬいぐるみなどの可愛い物も自身には縁遠いものだとティナは少しだけ思ってしまったのだ。

「はい、淹れたてのココアだよ?あとは、チョコチップクッキー焼いたから良かったら食べて食べて!」

キッチンからマグカップとクッキーが乗ったお盆を持って来たメーガンは長い髪の毛をポニーテールにしながらティナの前に座ってテキパキとテーブルに並べ始める。

ティナは受け取ったマグカップに入ったココアを口にしてふと考えた。このマグカップは確か…。

「メーガン」

「ん?どうしたの?」

「…まだこのマグカップ、使ってくれてたんだね」

「当たり前じゃない、ティナが初めてくれたお土産だもん。出会って間もない頃が懐かしいな。ティナが居てくれるから私は辛い毎日でも楽しく居られるんだよ」

「…そう、ありがと…」

「うん、あ、チョコチップクッキーも食べてよ?折角作ったんだから食べて欲しい」

「…いただきます」

ティナはメーガンが焼いたチョコチップクッキーを口に含んでその甘さを噛み締めていく。

ニコニコとするメーガンの顔を見てティナは目を細めながら呟いた。

「腕を上げたんだね、メーガン」

「最近休みの度に何か作ってる気がするな。ティナは休みの日は変わらずに狩りとかしてるの?」

「この辺は何もいないから釣りとか読書とか。あなたよりかは地味な過ごし方をしてる」

「今度の休み、時間あったら一緒にお菓子作らない?色々と作りたいんだー、ほら、女の子たちみんな呼んで試食会とかしたいんだ」

「…メーガンらしくていい。うん、楽しいかもしれない。所で…」

ティナはメーガンのオリーブ色の瞳を見つめて呟いた。

「私に話したいことって何?」

「い、いや…、全然大したことじゃないんだよ?だけどティナにだけは報告しようと思って…」

「何かに悩んでいるのなら私が聞く。私はメーガン、あなたの親友だよ?隠し事は無しだ」

ティナの言葉にメーガンは少しだけ恥ずかしそうにしながらゆっくりと口を開いて呟いた。

「…実は、好きな人が出来たの…」

「好きな人?」

「そう、実はね、ブラックビアード何だけど彼を好きになることはないと思ったんだけど…優しい彼に惚れちゃって。ティナにしか言ってないからね!誰にもまだ言ってないんだから」

…あぁ、良かった。

ティナは心の底から安堵したのだ。大切な親友が何かに苦しんでいたりするのではなく、幸せな悩みを自分に教えてくれたことがすごく嬉しかったのだ。

メーガンの手を取り、ティナは優しい声音で彼女の瞳を見つめながら微笑んだ。

「メーガン、私は嬉しいよ。あなたが一番に私に相談してくれたことがすごく嬉しいんだ。何かあったらいつでも頼って欲しい。…あまり器用じゃないかもしれないが」

「ううん、ティナ、私はずっとあなたが側に居てくれたから頑張って来れたし相談だって出来たんだから。あなた以上の親友は居ないわ!…あ、ティナにあげたいものがあるんだった…」

メーガンは立ち上がってラッピングされた大きな袋をティナに手渡した。その袋を受け取ったティナは不思議そうに見つめて呟いた。

「…開けてもいい?」

「うん!ティナにずっと渡したかったんだ」

メーガンから袋を受け取ったティナは袋の中身を見て驚いた。

(…これは…)

メーガンがティナにプレゼントした贈り物、それは…。

 

「…熊のぬいぐるみ…?」

メーガンの部屋に飾ってあるぬいぐるみと色違いの熊だった。ティナがそのぬいぐるみを黙って見つめていれば、メーガンは心配そうに呟いた。


「…気に入らなかった…?」

不安げに呟いたメーガンをティナは不思議そうな顔をして見つめ返して微笑んだ。

「どうしてそう思うの?」

「だって不思議そうに見つめているから…」

「大事な親友であるあなたと同じ物を持たせて貰えて私は嬉しいよ、それにメーガン、私はあなたから何かされて嫌な顔をしたことがあったかしら?」

ティナの言葉にメーガンは少しだけ考えてすぐに笑顔を浮かべて呟いた。

「…無いわね!ティナ、私あなたと親友で良かった!いつもあなたは私の話を聞いてくれるし助けてくれる。だけどティナ、私もあなたの味方だし何かあったら必ず助けるから。だからこれからも親友でいてくれる?」

…答えなんて、一つしかないの。

メーガン、私もあなたと親友でいられて良かったって思ってる。だから、だから…。

「当たり前、それ以外に答えなんてないよ。メーガン、あなたの親友としてあなたとあなたの好きな人と幸せになれるように祈ってるから」

二人は見つめ合えば小さく穏やかな笑みを交わしあった。

 

 

夜、ティナは眠る前にベッドの横に置いた熊のぬいぐるみを嬉しそうに見つめて抱きしめた。

「…ありがとう、大切にするね」

ルームライトを消してメーガンから受け取ったぬいぐるみとともにティナは瞳を閉じて穏やかな微睡みに身を任せていった。