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穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

共に過ごす時間

【共に過ごす時間】

バンディットとイェーガーのお話。ほのぼの。


エンジニアであるイェーガーは自身のADSを調整しながらバンディットのCEDを改良していた。バンディットはガラクタから人を殺傷する事が出来る武器を開発してしまうほど手先が器用だ。

そんなバンディットがイェーガーにCEDの改良を頼んだのには理由があった。

 

『俺と共同開発でガジェットを強化したい?』

『あぁ、イェーガー、お前の腕なら今以上に強いCEDが作れる筈だ。俺のガジェットは隙だらけ。お前の力を借りたいんだ。な?頼むよ〜、お前にしか頼めないんだ』

『仕方ねぇな、バンディット、時間は掛かるがやってやるよ。俺の腕の見せ所だな』

『頼んだぜ、相棒』

 

そんなやり取りを一週間前にしたことをイェーガーは思い出す。バンディットと言葉を交わしたのはその日が最後で、一週間前を境にバンディットはイェーガーの前から姿を消してしまった。

「…あの野郎、CEDだけ置いて何処に行ったんだよ。全く、俺たち相棒なのに。勝手に居なくなるんじゃねぇよ…」

改良を終えたCEDをテーブルに置き、イェーガーは冷蔵庫から冷えたビールを取り出してグラスに注ぐ。

それを一気に飲み干せば、母国から送って貰ったビールが集中力を酷使して疲弊した身体に沁みていく。

「…一人で酒なんて飲んでも旨くねぇってんだ。バンディット、お前が頼んで来た改良はとっくに終わってんだ。早く帰って来いよ、馬鹿バンディット」

「…馬鹿とは酷いな、イェーガー」

バンディット?!」

「やっと帰って来れたぜ、ただいま、イェーガー」

「…バンディット…」

イェーガーは自室に入って来たバンディットの肩を抱き寄せながら俯いた。きっと今顔を上げたら泣いてしまいそうなのが彼にバレてしまう。

声を震わせながらイェーガーは呟いた。

「…一週間も何処に行ってたんだよ」

「身内に不幸が有ってバタバタしてたんだ、お前には何か分かるようして行けば良かったんだが…ってどうした?」

「お前に…何かあったらどうしようって、そんな事ばかり考えていた。バンディット、一週間前に交わした言葉が最後だったらどうしようって考えていたよ…」

声を震わせながら呟くイェーガーの様子を察したバンディットは優しく彼の身体を抱き寄せて柔らかな声音で囁いた。

「勝手に居なくなって悪かった。俺たちは相棒だ、何が有っても必ず最後まで一緒だよ。それに俺はお前から勝手に離れたりはしないさ。理由は簡単だ…」

「…言えよ、ドミニク」

ぎゅっとバンディットの服を掴みながらイェーガーは彼の名前を呼んだ。バンディットはそれに答えるように呟いた。

「マリウス、お前が誰よりも好きで好きで堪らなく大事だから。ガジェットの改良も、お前と共に時間を過ごしたかったから頼んだ。好きだよ、マリウス」

「…馬鹿、言うのが遅いぜ…」

イェーガーは涙を零しながら俯いていた顔を上げてバンディットを見上げた。

ふっと微笑んだバンディットはイェーガーの涙を拭いながら彼の瞼に口付けた。その行為にイェーガーは顔を赤くしながら嬉しげに笑ってゆっくりを瞳に弧を描かせていった。