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穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

スキ・キライ

エコーのお話。

【スキ・キライ】


「何だよ」

「エコーはもう少し笑顔で過ごして見なさい、君には笑顔が似合う」

「偽善者」

「捻くれてばかりいると良いことないよ、エコー」

「あんたみたいなのは嫌いだ、センセー」

俺は心からドクが嫌いだ。

柔和な笑顔ばかり浮かべて嫌な顔を見せないこの人が大嫌いだ。周りの仲間から信頼され、人から頼りにされるこの人が大嫌いだ。

「私は君みたいな子は好きだな、捻くれていて妬んでくる可愛い子は好きだよ。君は私を偽善者と言ったな」

「…だから何だよ」

「それが事実だとして、例えば私の趣味が人を陥れたり無慈悲に人を殺める事だったらどうする?」

ニコリとブラウンの瞳は細められていく。真の利他主義者というのは偽りの仮面だったということか?

「それがセンセーの趣味か?ふん、馬鹿らしい。あんたの本性なんて誰にも分からない。無慈悲、ね…。あんたの手は人を殺めたり陥れたりする為の道具だったのか、別に興味はない」

「私に興味が無いのか?皆私を好きになるのに。皆私を見てくれるのに、君は珍しい」

「センセー、あんた少しズレてるよな」

ドク、あんたはやっぱり普通じゃないよ。俺を見る瞳は酷く冷たくて無機質な色を浮かべて居るのだから。

「エコー程じゃないさ、君はもう少し誰かに好かれる努力をしなさい。私みたいにね。君が私を嫌いなら、私は君が好きかもな」

…やっぱり俺はセンセー、あんたを一生スキにはなれないかもしれない。

ドクは俺の横を通り抜けて手をヒラリとあげて歩いて行った。ふわりと香るあんたの匂いが俺の鼻を掠める。

 

「…キライだよ、あんたなんて」

心を締め付けるセンセー、あんたを一生スキにはなってやらない。臆病な俺は奥底に秘めた思いを自覚したくはないのだから。