穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

私が君を想う理由

【私が君を想う理由】


「馬鹿なのか?!」

怒りの色がありありとドクの声に含まれていた。任務の際にルークはドクを守る為に敵の銃弾から彼を庇った。

ルークの瞳の真横はぱっくりと傷が出来てしまい、場所が悪ければ今頃ルークの瞳は失明していただろう。

基地に戻ったドクはすぐさまルークに手当を施した。敵地でも最低限の止血はしていたが早めに傷が良くなるように迅速にドクは対応したのだ。

「…貴方が死ぬよりかは、俺の命一つで貴方が助かった方が良いだろう?だからそんなに怒らないで欲しいんだが…」

二人きりの医務室でルークは困ったように呟いた。彼の青い双璧はドクを真っ直ぐに捉えていた。

「ルーク、君は私の気持ちを何一つ分かっていないじゃないか…」

「貴方の気持ち…?」

「死んでいい人間なんていない、況してや君は…ルーク、君は私にとって大切な相棒で恋人じゃないか!君が隣にいない人生なんて…まるで空虚だ」

「確かにそうだが…戦場で私情は…」

「っ…!君は本当に分からず屋だなっ…!」

ドクはルークの頬をぺちんと叩いた。ルークがドクを見れば彼のダークブラウンの瞳からは大粒の涙がぼろぼろと頰を伝って落ちていく。

「ルーク、私がどれだけ君を想っているか、私がどれだけ君をっ…、大切に想っているか、君は分かっているのか?!」

「…分かってる、俺だってそうだ」

「だけど君は後先も考えず私を庇って死のうとした、私がどれだけあの時絶望の淵に立たされたか…、君には分からないだろう?!」

ルークの瞳と涙で濡れたドクの視線は静かに交わった。ルークは小さくため息を漏らしながらドクをそっと抱き寄せた。

「…ごめん、軽卒だった」

「…私は、私は君を失いたくはないんだ、だからもう、あんな軽はずみなことをしないと今ここで私に誓って…」

「…ギュスターヴ」

「…ジュリアン…、もう二度と死のうとするな。君に守られるだけじゃなく、私は君と対等でありたい、だから二度と死のうとなんかしないで…!」

「…分かった、貴方に誓うよ」

ルークはドクの涙をそっと拭いながらその唇に優しくキスを施していく。ドクもまた、ルークの唇を受け入れながら瞳を閉じていった。

ドクはルークを自分自身よりも大切に想い、そしてまた、ルークもドクを想うが故に自己犠牲を厭わない。

…だからこそ。

だからこそ二人には二人だけの誓いが必要だったのだ。医務室の中を照らす夕焼けが重なる二人を淡く照らしていた。