穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

薔薇と髑髏〜前日譚

【薔薇と髑髏〜前日譚】

 


#モンドク←ルク1
*今書いてる話の前日譚。

今日もまた俺は憧れの人たちが仲良く話している所を見ては胸を痛めていた。

gignの最古参であるモンターニュと軍医であるドクは恋仲であった。

俺はドクに対して特別な感情を抱いていた。

そう、それはとてつもなく苦しくて愛しい思いだった。


#モンドク←ルク2

俺はドクを心から愛しく思っていた。

『ルーク』と低くて心地良いテノールが俺の名を呼んでくれたあの初めての瞬間を忘れることはないだろう。

憧れが恋心に変化していくのはあっと言う間だった。俺にとっての『最愛』を抱いたのは貴方が初めてだった。

ずっとずっと好きだった。


#モンドク←ルク3

だけど貴方には大切な人がいた。

俺よりも逞しくて強くて、背中の広い人だ。

どう頑張ったって敵うわけなんてなくて、俺はただただ二人の背中を見つめることしか出来なかったのだ。

いつだって俺はドク、貴方を強く想って生きてきた。

戦場でも貴方を想わない日はなかっただろう。

#モンドク←ルク4


「ジル」

「ギュスターヴ」


お互いが本当に愛し合っているという事を初めて目の当たりにしたのはついこの間のことだった。

互いに視線を交えながら愛しげに名前を呼ぶ姿に、俺の心の中にどす黒い何かが芽生えたのだ。

この感情の名を俺は知っている。

醜いこの感情を名を俺は知っている。


#モンドク←ルク5

そう、この感情は「嫉妬」だ。

俺は貴方を強く想って生きてきた。

ドク、貴方を愛しているのは彼だけじゃない。

一番近くに居たはずなのに。

気がつけば彼が貴方の側に居たんだ。愛しげに

視線を交わしそして名を呼び合う姿を忘れはしない。

絶対に奪ってやる。

ドク、貴方を…必ず。


#モンドク←ルク6


君が抱いていた想いを知らないふりして過ごす毎日がどれだけ辛かっただろうか。

『ドク』と名前を呼んでくれた君の笑顔、そしてよく通る声、透き通る青の双璧。

私はそんな君に少しずつ惹かれていたのだ。

惹かれてはいけない相手だと分かっていたのに。

私は君を密かに想っていた。

#モンドク←ルク7


戦場で君は私の隣にいていつも穏やかな視線で私を見てくれていた。

君の双璧に見つめられる度に私の胸は強く締め付けられてしまう。

あぁ、どうしたら君の側に居られる?

無条件に君の隣で笑って居られるにはどうしたら良い?

私には恋人がいて。

抱いてはいけない想いを捨てるには…。

どうしたら良い??


#モンドク←ルク8


抱いてはいけない想いを捨てるにはどうしたら良い?

…そんな事ばかりずっと考えていたよ。

ねぇジル?

君に本当の事を言ったら君は怒って私を見捨てくれるかな?

手酷く抱いてくれるかな?

…いや、君は懐が深い人間だからそんな事はしないだろう。

ずっとルーク、君を好きでいたいよ。

君を想いたい、
君の名を呼びたい

好き、大好き、愛してる。


#モンドク←ルク9


ジル、君に私が抱いている想いを伝えても良いかな?

本当は彼が好きだと。

心の底から愛しくてたまらないと想っていることを伝えてもいいのかな?

私は君に対して親愛と信頼を置いている。

だけどそれは決して恋愛感情ではないんだ。

君は深海のような男だ。

だからこそ私は…。


#モンドク←ルク10


『彼が好き』

静かに想いを吐露すれば、君は目元を細めてやがて静かに微笑んだ。

どんな事も大きく包み込んでくれる君もその時は悲しげに私の名を呟いた。

あぁ、私は浅はかだったのかもしれない。

君と交わした言葉も笑みもこれが最期になるなんて。

私を赦さないで、ジル…。

君に赦して貰う資格なんて、私には無いのだから…。

 

#モンドク→←ルク11

長年に渡り培ってきた想いは友情を遥かに凌駕していたことを思い出す。

『ジル』

穏やかな声音と温かな視線はずっとずっと自分自身だけのものだと想っていた。

いつだって俺はお前を守る為に近くにいた。

いつだってお前を想って過ごしてきた。


大好きだ、愛してる。

俺の想いは…?

俺がお前に抱いている想いは…。


#モンドク→←ルク12


俺の想いは確かに本物で、お前以上に好きだと思える奴は居なかった。

だから『君が好き』と言ってくれたあのときのことを俺は忘れないだろう。

俺もギュスターヴ、お前が好きだ、愛してる。

何度だってお前の笑顔を守る為に俺は命をかけて過ごして来た。

本当に愛しているから…。

心の底からお前だけを見ている。

ギュスターヴ、お前は俺だけの…。

 

#モンドク→←ルク13


だけど気がついてしまった…。

お前が本当に好きなのはあの若造だということを。

俺は二人を見て確信してしまったのだ。

互いに戦場で交わす視線も言葉も、信頼以上の想いなんだということも二人を見て分かってしまったのだ。

あぁ、お前は俺を愛してはくれてはいないんだな…。

俺はこんなにもお前を想って毎日を過ごして来たというのにな。


#モンドク→←ルク#14


『彼が好き』
お前から言われた時、俺は諦めるように笑った。

あぁ、知っていたよ。

ギュスターヴ、お前が本当に抱いていた気持ちを俺は知っていた。

だから俺は静かに笑ってお前の名を呼んだ。

いいんだ、ギュスターヴ。

お前の人生なんだから俺を見ることが全てではない。

だけど愛していたよ。

俺は確かにお前を愛していたんだ。

だから俺はお前に対して責めることも
恨むことも出来ないんだ。


#モンドク→←ルク fin


全ては少し前の話だった。

薄れ行く意識の中で俺はお前を見つめた。

あぁ、俺はお前を愛していたのに。

結局は悲しい想いばかりさせていたんだな。

ギュスターヴ、お前に泣き顔は似合わない。

せめてあの若造の前では笑えよ?

もしまたお前に逢えた時。

俺は全力であの若造からお前を奪って、深く愛してやる。

だから…。

俺の生き抜いた瞬間を忘れないでくれ。

霞んで行く意識の中で俺はお前に愛を呟いていた。