穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

日常の話❻

君と出会い、恋をして唇を重ねて思いを伝え合って約三年。いつだって私のことを第一優先にしてくれた。

しかし、そんな君に一つだけ。

たった一つだけ【不満】を述べるとするならば………。

今の今まで、身体を重ねたことが一度も無いことだ。

 

 

【軍医の密かな欲望】

 

 

爽やかな初夏、部屋には眩しい日差しが入り込んでくる。隣で眠るルークの整った幼い顔を明るく照らす。

「ルーク、もうお昼だから起きないと。身体に悪いぞ」

「…んー…、もう少しだけ…」

彼とは昨年から一緒に暮らすようになった。朝が弱いルークに頼まれたことから共同生活が始まったが、職場も同じだからというのと、恋人同士というのもありそのまま生活を共にすることになったのだ。

「起きないと駄目だぞ、ルーク。今日は休みだからといって部屋の掃除とか色々するって決めてたじゃないか」

「ん、分かった分かった。…キスしてくれたら起きるよ…」

寝惚けているような、中途半端な意識の中でルークは私の腕を掴み、布団の中に連れ込もうとする。

「…ル、ルーク…っ」

「ドク、おはよう。愛してる」

ルークは私の唇に軽くキスをしてぎゅっと抱き締める。その行為自体が私にとってはある意味苦痛で仕方なかった。

「…おはよう、ルーク…。もう、昼だけどな」

顔が赤くなるのはいつものことだ。ただ私にとってルークに触れられることはキスの先を期待させる行為にしか思えなくなってしまったのだ。

「…何かあった?眉間に皺が寄ってるよ?」

青い瞳が私を心配そうに覗き込む。あぁ、私の密かな欲望のせいでルークに余計な心配をかけさせてしまったようだ。

「大丈夫だよ、とりあえずルークも起きてくれたしお昼にしよう。それからゆっくりして、家事をやれば大丈夫だから」

「そう?なら良いけど。あなたはいつだって無理をして頼ろうとはしてくれないのだから。隠し事は駄目だ」

「あぁ、私は大丈夫だし、無理もしていないよ。うん、昼食用意するから顔を洗っておいで?」

「分かった」

とりあえず、今抱いていた感情はなんとか隠し通せたみたいである。ルークの頭を一撫でして私は台所へ向かっていった。

 

 

***

軽い昼食を済ませてリビングで寛いでいた私たちはテレビを見ていた。ソファに二人で並んで見ていた番組はバラエティーだった。

ルークの顔をチラリと見ると、彼もまた私を見てにこりと微笑みを浮かべてくれた。ルークの笑顔は私にとってはとても大切なものでもある。

私もつられて微笑みを返す。するとルークはテレビをそっと消して、私の手に自身の手を重ねてきた。とてもとてもその手は熱くて逞しいものだった。

「…ドク……」

ルークの瞳はどこか熱を帯びていて、そして今までに見たことのないような【欲情した男】を思わせる雰囲気を醸し出していた。そして気がついたら私は彼に押し倒されていたのだ。

「…ちょ、ルーク……っ!いきなり何するんだ…っ」

「ごめんドク……あなたがあまりにも可愛いから」

彼はそう言うと青い瞳を輝かせ、首筋に顔を埋めてやがて甘く噛んでくる。噛まれた箇所はくすぐったさと、痺れるような麻痺に近い感覚で犯されていく。

「…ん………っ、首筋は駄目だ……」

正直自分の喉からこんな声が出るとは思ってなんか居なくて、それこそルークにキスや抱擁は何度だってされてきた。

「ドク、好き。…あなたが好きだ」

首筋から顔を離し、愛の言葉をルークは囁いてくる。そしてルークは唇を重ねてきては熱い舌を何度も何度も絡めてくる。

「ふ………っ、ル、ルークっ…」

苦しさと気持ちよさが入り混じった、何とも言えないこの感情が心の中を駆け巡る。口づけは止まることを知らない。

「可愛い…」

ルークは合間合間に「可愛い」と言葉を投げ掛けてくる。当然、私の心に余裕なんかあるはずなく、何も答えることが出来なかった。

…そして、気がついたら私の瞳からは涙が一筋流れていた。

「…ドク…?どうしたの…」

ルークは私を抱き起こし、青い瞳を真っ直ぐと向けてくれる。その瞳には少しばかりの焦りと悲しみが浮かんでいた。

「ごめん……、ごめんルーク……少し驚いてしまって……」

「そんなに……嫌だった?俺はあなたが大切だからあなたの嫌がることをしたつもりは無かったんだが…」

ルークの声音は何処か落ち込んでいた。君を落ち込ませたくて泣いたんじゃない。私自身が望んでいたことだった。気持ち良さと、その行為に対しての感情が追い付かなかったんだ……。

私はルークの広い背中に腕を伸ばし、抱き寄せた。

「…嫌な訳じゃ無いんだ、寧ろルーク。君とずっとずっとキスより先に進みたいと思っていたのに中々手を出してくれなかったから…。その、今日の君が性急だから驚いてしまったんだ…」

「ドク、あなたは何か誤解をしているよ…」

ルークも私をしっかりと抱き締め返してくれた。それだけで安堵してしまったと言うのに。

「俺がずっと身体を重ねなかったのはね、高潔なあなたを俺の欲で汚したくなかったから。ドク、あなたが好きだからずっとずっと我慢してきた。愛しくて大事な人が隣で眠っていたら手を出したくなる。俺だって男だからね。…けどもう、我慢しなくて良いってことなのかな?…あなたの答えを教えて欲しい」

抱き締められる中、ルークの鼓動は緊張のせいなのか早く胸を打つ。あぁ、私は彼になら……。

「ルーク、君になら良いよ」

「……っドク、あなたは可愛いからどうなっても責任取れないから…」

再び、私は彼に押し倒されてしまう。今度こそ、本当に……。初めて身体を重ねることになるんだろう……。

 

 

***

 

 

「……や、駄目……ルーク……っ」

「そんな甘い声漏らしといて何を言ってるの…」

ルークは私のシャツやズボンを脱がせ、触って来ている。ルークもまた上半身裸になっていた。密かに思っていた。

彼の身体は十分にバランスの取れている身体でそんなルークにずっとずっと抱かれたいと、1つになりたいと思っていた。

「ドクの『ここ』、だいぶ辛そうだけど……。もっと触ってもいいかな?」

「す、好きにしていい……」

「じゃあ遠慮無く」

ルークは私の熱を帯びている箇所を何度も何度も手で愛撫をしてくる。その度に卑猥な水音が私の耳に響いてくる。

「…ドク、濡れてる…」

「や、やぁ…、そんなこと、耳元で言わないで…っ」

ルークの声はいつもより低く、そして耳元で囁かれるその声は私の理性を崩すのには十分だった。脳内はもう、ルークの声と愛撫による快感でいっぱいいっぱいだったのだ。

「ふふ、可愛い。…ドク、あなたとは年齢だって離れてるけど俺にはそんなことどうだって良い。可愛いあなたが好きだよ。…辛そう、一回出した方が良さそうだ」

「…や、やめて…っっ、出る、出るからっ………!!」

「いっぱい出たね、だけどまだ終わらないよ…」

ルークの手には私の熱を帯びた場所から放たれた白濁液が残っていた。ルークはそれを綺麗に拭うと近くにあった潤滑液を手に取り、それを指にたっぷりと含ませる。

「…あなたに受け止めて欲しいから。痛いかも知れないけどちゃんと解さないと…」

ルークは完全に私の下着を取り去り、指にたっぷりと含ませた潤滑液を恐らく彼を受け入れるであろう、入口に塗りたくる。その行為こそ望んでいた行為の手前だった。

触れられるたびにやっぱり麻痺に近い感覚が脳内を支配する。しかし嫌ではない。もう、気持ちはルークを求めるだけで精一杯だったのだ。

入口を撫でるように触られ、そしてルークは指を一本だけ入れる。やはり痛かった。しかし私は軍医だからある程度の身体に構造は熟知しているから、我慢することは容易かった。

「…大丈夫、ドク……?」

「私は、大丈夫……っ、それよりも指を……っ、増やしてはくれないのか?」

「大丈夫だよ、言われなくても増やすから……っ」

「…んっ……、ルークっ……」

一本だった指の本数を二本に増やされ、一気に質量は増した気がした。そして潤滑液の量も増えて益々卑猥な水音が部屋に響き渡ってしまう。

そして何度か掻き回されてふと【当たった場所】は私の意識を一瞬だけ、失わせてしまう。自身の快楽の壺をルークに触れられてしまった。

「ドク、ここが良いの?気持ち良いんでしょ…?」

「…あ、ぁっ………、気持ち、いい………っ…」

「ごめん、もう我慢の限界だ」

…寸止めされてしまった。

ルークは一度指を引き抜き、用意していた避妊具を自身の昂りに被せて、私の入口に押し付ける。

「…分かるかな、俺の……」

…これ、入るのか……?

正直、ルークの昂りは想像以上に大きくて私が受け入れられるか不安で仕方なかった。しかし私は彼が早く欲しくてたまらなかった。

「ルーク………、早く………っ」

「うん、力を抜いていてね」

ルークは少しずつ、自身の昂りを私の中に押し進めて行く。苦しくて怖くて、涙が出そうになった。だけどそれ以上にルークは私の頬や唇に何度もキスをしてくれた。

「…ドク、全部入ったの分かるかな……っ?」

圧倒的な質量が私自身の中で熱を帯びて型どっているのがよく分かる。

「…ル、ルークっ………」

「…ごめん、あなたのそんな声聞いちゃうと動きたくなるじゃないか…っ」

「良いよ………っ、私もそれを望んでたっ、早く………動いてっ……」

ルークは私の腰を掴み、自身の腰を落としてゆっくりと動き始める。その動きに合わせて私の口からは今までに出たことの無いくらいの喘ぎ声が漏れでる。

「…はっ……ん、だ、だめだ……気持ち良い……っ…」

「俺もだよ…、あなたの中が熱くて溶けそうだ……っ」

「…好き、だ………、ルークっ………」

私はルークに何度も何度も好きだと呟いた。ルークもまた、私に愛してると言葉を返してくれた。それがたまらなく嬉しくて嬉しくて仕方なかった。

何度も腰を打ち付けられ、そして何度も愛を囁かれた私もルークも限界を迎えそうだった。

「…ドク……………、あなたの中で……達してもいい………っ?限界なんだ………」

「んっ………、ルーク……っ私も……達しそうなんだ……っ……」

目の前が真っ白になっていく。彼の熱は確かに避妊具越しではあるけれど、広がっていくのを感じていた。あぁ、これが『幸せ』なんだと改めて実感してしまった。

 

 

ルークは私の中から昂りを引き抜き、綺麗に処理するとぎゅっと抱き締めてくれた。

「…ありがとう、ドク……」

「うん、私こそ君と一つになれて幸せだった………」

そのあと私とルークは一緒にお風呂に入り、夕方まで昼寝をしてしまった。家事をする予定だったが…。まあ、それは明日に回そう。

 

 

***

再び、目を開けた時に時計を見ると夕方の17:00を差していた。だんだん先ほどの行為を思いだし、そして腰には鈍痛が甦る。

顔は必然と真っ赤になる。しかし、それと平行するように幸せな気持ちが心にジワリと広がっていく。

「…あれ、ドク。先に起きたのか?」

「済まない、起こしてしまったか?」

「ううん、大丈夫。無理をさせてしまったかな」

「…いや、確かに腰は痛いけど今は何よりも君と1つになれた幸せが勝っているよ。私は歳が君よりにもだいぶ上だけど、『そんなこと関係ない』って言ってくれたこと、本当に嬉しかった」

「…当たり前じゃないか、年齢なんて関係ない。俺にとってドク、あなたは本当に大切な人なんだ。なかなか身体を重ねることが出来なかった時は我慢してたけど、あなたのためを思ってのことだから、今は我慢して良かったと思ってる。…これからも、あなたを愛し続ける。ただ一人の…『ギュスターヴ・カテブ』さん…」

「…私も君を愛し続けるよ、『ジュリアン』…」

瞳を閉じ、重ねられた唇は熱かった。しかし何度だってその温もりを思いだし、忘れることは決してないだろう。

…唯一無二の【愛しい思い】がここにあるのだから。