穴龍の里

穴龍がr6sのSSをupする欲望の吐き捨て場。

酔い潰れて、kiss by kiss

「おーい、大丈夫かよ」
「…無理…」
「まったく飲める量を加減しろよなぁ」

親睦を図るために同僚たち何人かと飲んでいて、時間も丁度いい頃合だったから解散になった時。

一緒に飲んでいたバンディットが酔いつぶれてしまい、彼の家に比較的近いイェーガーがバンディットを送る羽目になったのだ。

(まったく、普段からコイツは加減を知らねーからなぁ)

心の中でイェーガーがぼやくと、
バンディットが「座りたい」と苦しそうに声をかけてくるから近くのベンチに二人で腰をかける。

「…バンディット、酒弱いのになんであんな無茶して飲んだんだ。送っていくのは構わん。心配する身にもなれってんだ」

自販機でミネラルウオーターを買い、
それを酔いつぶれてるバンディットにイェーガーが手渡すと、バンディットは一口水を飲み、イェーガーの顔を無言で見つめてくる。

「な、なんだよ!!」
「…イェーガー…」

普段は友人として、同僚としてイェーガーはバンディットと接しているからまじまじと彼の声や表情を見たり聞いたりすることなんて無かったのだ。

淡々とした声と、夜に沈む黒い瞳。
アルコールが回っているために少し紅潮した頬。

その全てが、イェーガーに向けれていた。

「お前が好きだ」

告げられのは、一つの言葉。
その言葉、視線、思い。
バンディットの声は全部、イェーガーに向けられていた。

「…お、お前っ、冗談でもそんなこと…」
「冗談かどうか、確かめさせてやるよ」

酔いつぶれていたはずのバンディットはイェーガーの唇に、無理やり唇を重ねる。

「…ふっ、や、やめっ…」

割り込まれた舌に腔内を弄ばれる。
アルコールが入ってるバンディットの舌は熱くて蕩けてしまう。

やがて唇を離したバンディットはそのままこてんと目を瞑り、眠ってしまった。

「〜〜…っ!こんの馬鹿バンディット!」

季節は真冬だから公園に彼を置いて行くわけにも行かず。バンディットの自宅までイェーガーは彼を連れて帰ることにする。

(…っくそ、これだからほっとけねぇんだよ。舐めんなよ、馬鹿バンディット!明日起きたら問いただしてやるんだから)

夜風が頬に掠れる。
彼の口づけで熱くなった頬を冷ますには丁度良かった。

 


「…ん、ここは…」
バンディットは目を覚ますと、ここが自身の家で住み慣れた部屋という所までは理解できる。

ズキズキ、っと頭には頭痛が走る。
昨夜の親睦会でお酒を飲み、酔いつぶれたところまでは記憶にある。

ベッドを良く見ると、傍らには思いを寄せる同僚がスヤスヤと穏やかな寝息を立てていた。

(…は?!なんでイェーガーが居るんだ?俺、まさか…)

しかし、
となりに眠る同僚は幸いにも服を着ていたので、無理矢理行為に及んだりと、バンディットの頭を悩ませることはなかったようだ。

…いや、一つだけ。

(俺はイェーガー、お前に無理矢理思いを伝えて唇を重ねたんだな。最低だ…)

徐々に思い出す、昨夜の記憶。
思い出すのは彼の顔だ。

そんなことを考えていると、
イェーガーはもぞもぞと起きて目を覚ます。

「…酔い、大丈夫か?」

眠そうな瞳を擦りながら、イェーガーはバンディットの顔を真っ直ぐと見てくるのだ。その瞳には一点の曇りも無かった。

そこに有るのは、
僅かばかりの怒りと戸惑いの色だった。

「俺、昨日お前に…」
「何でお前はいっつも一人で抱え込むんだよ?!」

バンディットの言葉を遮るように、
イェーガーは彼に言葉を吐き捨てる。

「…お前、いつから俺のこと好きだった?!」

「ずっと前からだが、無理矢理押し通すものじゃないからな…」

「無理矢理、キスしてきたくせに。バンディット、俺を好きならちゃんとシラフで伝えてくれよ。いっつもお前は一人歩きしやがって、人の気持ち考えてみろよ!!!馬鹿バンディット!」

イェーガーは顔を赤くしながらバンディットにありったけの文句を言ってやる。バンディットは真剣な瞳をイェーガーに向けて、簡単に一言。言葉を囁いた。

「…お前が、好きなんだよ」
「…だったらちゃんと俺の目を見て、抱きしめてキスしろ。二度と酔いつぶれた状態からはごめんだからな!」

「…イェーガー、ありがとう」

普段見せることのないバンディットの柔らかい笑みにイェーガーは不意打ちながらも、見惚れてしまったのだ。

まだ寝て覚めて、時間も経っていない。恋人に成り立ての二人はもう一度眠りに堕ちるためにベッドに入る。

手を重ねて、そして互いの瞳を見ながら唇を重ねる。

穏やかな、心地よい体温が伝わってやがて二人は緩やかな睡魔へと引きづり込まれていった。

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